米国大学院へ出願するために必要な書類を紹介します(専門職系大学院)

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留学

こんにちは、独学家(セルフ・ラーナー)のKuroです。

このブログでは、独学での大学受験や一級建築士試験、海外留学についてのノウハウを発信しています。

こちらの記事では、奨学金を得てアイビーリーグの一校へ留学したKuroが、米国大学院へ出願するために必要な書類、について紹介します。

はじめに

米国大学院へ出願するための必要書類を紹介する前に、米国大学院の種類について解説します。

というのも、様々な留学ブログをみていると、修士・博士が一貫しているものと、修士・博士で分かれているものが混在しています。また、場合によっては大学からの奨学金によって授業料が免除になっているものや、そうでないものもあります。

そこで、先ずはこれらの違いについて述べておきたいと思います。

米国大学院の種類

米国大学院を大別すると、こちらの3種類に分けることができます。

  1. 修士課程と博士課程が分かれているもの
  2. 博士課程の一部に修士課程が位置づけられているもの
  3. Terminal Masterと呼ばれ、基本的には修士課程で修了するもの

1番目と2番目は「Graduate School(学術系大学院)」と呼ばれ、取得できる学位は主に人文・社会科学系の Master of Artsと、理学・工学系の Master of Scienceとなります。

留学ブログの中には、授業料免除で修士課程を含む博士課程へ進学した、と紹介されているものがありますが、こちらは2番目のカテゴリとなります。

3番目のTerminal Masterは「Professional School(専門職系大学院)」とも呼ばれ、専門に応じて学位名称が異なります。経営大学院の場合はMaster of Business Administration (MBA)となりますし、法学大学院の場合はMaster of Lawとなります。

私が留学した建築系の大学院は、専門職系大学院に位置づけられるものです。そして、こちらの記事で紹介する内容も、基本的にはProfessional School(専門職系大学院)への応募を想定したものとなっています。ですが、Graduate School(学術系大学院)への出願においても類似の書類が必要となりますので、Professional Schoolのみならず、Graduate Schoolへ出願を検討されている方も、是非ともご覧ください。

米国大学院(専門職系大学院)へ出願するために必要な書類

では、米国大学院へ出願するために必要な書類を見てみましょう。

Application

まず初めにApplication(願書)です。

願書は大学院へ出願する際の根幹となるものであり、以下に紹介する様々な書類を添付するものとなります。殆どの大学院ではオンラインアプリケーションを採用しているため、書類を印刷し、封筒へ入れて投函することはなく、ましてや手書きで用意するものではありません。

オンラインアプリケーションを開設すること自体は無料ですので、どのようなものか把握されたい方は実際に開設されることをおすすめします。参考として、Columbia University, Graduate School of Architecture, Planning and Preservationと、Harvard Business Schoolのリンクはこちらとなります。

Columbia University, GSAPP

Harvard Business School

Transcripts

次にTranscripts(成績証明書)です。

成績証明書は、学部時代(大学院を卒業している人は大学院含む)の英文成績表となります。出願時にはコピーで済むことが多く、合格通知を貰って進学を決めた後に、原本の郵送を要求している大学院が多い印象です。

また、日本には馴染みがありませんが、米国では学部時代の成績を4点満点のGPA(Grade Point Average )として表現しており、大学院によっては最低GPAを設けています。最低GPAを設けていない大学院も増えてきていますが、アイビーリーグなどの米国トップ校を目指している場合、学部時代によい成績を得っておくに越したことはないでしょう。

Recommendation Letter

次にRecommendation Letter(推薦状)です。

推薦状は、大学側からみてこの出願者は無事に卒業することができるか、また、大学へ付加価値をつけることができる人物かを見定めるために、出願者に近しい人から情報を得ることを目的としたものです。

大学院に応じて2~4通の推薦状が必要となり、大学時代の指導教官や、職場の先輩・同僚から推薦状を貰うことが一般的です。推薦状を貰う際は、願書(オンラインアプリケーション)に推薦者の名前・所属・連絡先を記載する欄があり、記載したら大学からその推薦者へ自動でメールが入り、推薦状を提出する流れとなっています。そのため、出願者は推薦状の内容を直接見ることができない仕組みとなっています。

Essay/Statement of Purpose

次にEssay(エッセイ)またはStatement of Purpose(志望動機書)です。

留学を志すに至った背景や、留学の目的、その目的を達成するためになぜ出願する大学院が望ましいのか、留学後はどのようなキャリアを歩みたいのか、ということを500~1,000wordsで簡潔に述べる必要があります。複数の大学院へ出願する際は、「留学に当たってなぜ出願する大学院が望ましいのか」という記載を中心に、大学院ごとに作成する必要があります。

出願書類の中でも重要なものとなるため、じっくりと時間をかけて推敲し、納得のいくものを仕上げる必要があります。

Personal History Statement

上記のEssayまたはStatement of Purposeに加えて、Personal History Statementを課す大学院もあります(UC BerkeleyのMaster of City Planningなど)

Personal History Statementは出願者の人となりを把握するためのもので、学業において困難に直面した時にそれをどのように解決してきたか、どのような場面でリーダーシップを発揮してきたか、などの情報を、500words程度でまとめます。どのような内容を書けばよいかわからない方は、UC Berkeleyのサイトなどに書き方のTipsが載っていますのでご覧ください。

Curriculum Vitae/Resume

次にCurriculum Vitae(CV)/Resume(履歴書)です。

CV/Resumeには職歴、学歴、論文、資格、スキル、受賞歴、などを記載します。文量やフォームの指定はありませんが、A4用紙1枚に簡潔にまとめると良いでしょう。1つのCV/Resumeを用意すれば、基本的には同じものを用いて複数の大学院へ応募可能です。

TOEFL iBT/IELTS

数ある出願書類の中で、日本人として準備が大変だと思われるのが英語能力証明書です。

英語能力証明書はTOEFL iBTを要求している大学が多く、最近はIELTSも受け入れている大学も増えている印象です。いずれも、Reading, Listening, Speaking, Writingの4セクションから成り立っており、TOEFL iBTの場合は30点×4セクションの120点満点、IELTSの場合は各セクション1.0~9.0のバンドスコアと、総合評価として1.0~9.0のオーバーオール・バンド・スコアが与えられます。

最低点を設けている大学が多く、トップスクールへ留学するためにはTOEFL iBTで合計100点は欲しいところです。特に、Harvard Business Schoolなどの一部のトップ校は、110点近くの最低点を課しているところもありますので、英語が得意でない方は時間をかけて相応に勉強することが求められます。

GRE/GMAT

TOEFL/IELTSと合わせてコンピューターテストを受験しなければいけないのが、GRE(Graduate Record Examination)またはGMAT(Graduate Management Admission Test)です。

いずれも米国大学院で学ぶための学力を測定するものであり、GREはVerbal170点満点、Quantitative170点満点、Analytical Writing6点満点で測定され、GMATはAnalytical Writing6点満点、Integrated Reasoning8点満点、Quantitative ReasoningとVerbal Reasoningで合計800点満点、で評価されます。

ビジネススクールはGMATを要求しているところが多く、ビジネススクール以外はGREを要求しています(私が留学した建築系のスクールもGREでした)。

なお、コロナ禍に伴いGRE/GMATを免除している大学院もありますので、志望する大学のホームページを確認して最新情報を入手しましょう。

Portfolios

建築やデザイン系の大学院を受験する場合、Portfolio(作品集)を求められます。

Portfolioとは、今まで携わったプロジェクトの概要や、デザインした建築物・ランドスケープをまとめた出願者の作品集です。また、建築・デザイン系の大学院のなかでも、専攻によってはPortfolioが必須ではないものもあります。例えば、University of PennsylvaniaのWeitzman School of Designでは、建築やランドスケープデザインはPortfolioの提出が必須である一方、都市計画専攻は選択式となっています。

Statement of Financial Support

大学によっては出願時にStatement of Financial Support(財政能力証明書)が求められる場合があります。

財政能力証明書は、出願者自身の銀行残高証明や、社費留学の場合は所属企業からの支給金額証明書、外部奨学金を得ている場合は奨学金母体からの証明書などを指します。

米国大学院は日本とは比べ物にならないほどの費用が必要となります。そのため、出願者へ財政能力証明書を提出させることにより、出願者の支払い能力をみたり、奨学金付与の必要性を検討するものとなります。また、出願時に不要だったとしても、米国のビザを発給する際に必要となります。

オススメ記事

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各書類の必要性

米国大学院へ留学するイメージ

最後に、各書類の必要度一覧はこちらとなります。もちろん、志望される大学院によって必要書類は若干異なってくるため、最終的には大学院のホームページをご覧になってください。

書類必要度
Application必須
Transcripts必須
Recommendation Letter必須(※枚数は大学院により異なる)
Essay/Statement of Purpose必須(※文字数は大学院により異なる)
Personal History Statement大学院によって必須
Curriculum Vitae/Resume必須
TOEFL iBT/IELTS必須(※海外大学を卒業された方は不要の場合あり)
GRE/GMAT必須(※コロナ禍に伴い不要となっている場合あり)
Portfolios建築・デザイン系の大学院は必須
Statement of Financial Support大学院によっては必須(※ビザ申請には必須)

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