Essay/Statement of Purposeを書くポイントについて紹介します

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留学

こんにちは、独学家(セルフ・ラーナー)のKuroです。

このブログでは、独学での大学受験や一級建築士試験、海外留学についてのノウハウを発信しています。

こちらの記事では、外部の奨学金を得てアイビーリーグの一校へ留学したKuroが、Essay/Statement of Purposeを書くポイント、について紹介します。

オススメ記事「米国大学院へ出願するために必要な書類を紹介します(専門職系大学院)」はこちらから

はじめに

対象とする大学院

まず初めに、こちらの記事で紹介するEssay/Statement of Purposeのポイントは、専門職系大学院(Professional School)、特に私が留学した建築・デザイン系の大学院への応募を想定したものとなります。しかし、建築・デザイン系の専門職系大学院に限らず、専門職系大学院の他専攻や、学術系大学院(Graduate School)へも基本的には流用可能な内容だと考えています。後ほど述べる大学からの質問内容を踏まえて、こちらの記事で紹介する内容を是非とも参考にしてみてください。

Essayとは?

そもそも、出願書類の一つとして課されるエッセイ(Essay)とは何でしょうか。

エッセイというと、私たち日本人は文学的な物語をイメージしてしまうかもしれませんが、出願書類として課されるエッセイは異なります。出願書類として課されるエッセイは、随筆的なものではなく、内容を論理的に展開したものであり、どちらかというと「小論文」と訳した方が適切でしょう。そのため、文章を論理的に構築して、読み手を納得させるという心構えが必要となります。

また、出願書類として、ある大学ではEssayが課され、ある大学ではStatement of Purpose(志望動機)が課されるといったことは珍しくありません。ここで、Essayとして課される場合は、Statement of PurposeについてのEssayを書いてください、という文脈で使われていることが多いと思われます。そのため、EssayとStatement of Purposeは同じニュアンスを持っていると考えて問題ないでしょう。

エッセイの重要性

次に、出願書類の中でエッセイはどのくらい重要なのでしょうか。

海外留学した人たちから話を聞くと、数ある出願書類の中でエッセイの重要度は高い、という話をよく聞きます。というのも、エッセイは出願者の個性やリーダーシップ、勉強の目的を把握する唯一の資料といっても過言ではないからです。そのため、多様性を重視するアメリカの大学院は、エッセイの内容を重要視するだろう、という流れです。

しかし、私はエッセイだけで合否が決まるとは思っていません。というのも、TOEFLやGREの点数が著しく低かったり、推薦状の内容にマイナス要素が多く含まれていたら、その時点で合格ラインには乗ってこないからです。

私の考えとしては、先ずはTOEFLやGREなど、試験の点数が基準点に達しているかどうかを先ずは見て、その上でエッセイや推薦状の内容を通じて出願者の個性や学業への意識を図り、合否を判断しているのだと考えています。そのため、エッセイはもちろん重要な書類なのですが、その前にTOEFLやGREなどの試験において、ある程度の点数を満たしておく必要があると思っています。

Essay/Statement of Purposeを書くポイント

ではここからエッセイを書くポイントについて紹介します。

先ず、私の考えるエッセイを書くポイントは次の通りとなります。

  • 質問を理解する
  • 構成を考える
  • 留学目的を軸としたストーリーを考える
  • 文章を推敲する

では、各々にいて詳しく見ていきましょう。

質問を理解する

エッセイを書く上で第一に重要なのは、何を聞かれているのかを理解することです。

各大学の”Admissions”のサイトをみると、エッセイに何を含めるべきか、ということが述べられています。試しに、いくつかの建築・デザイン系の大学院を見てみましょう。

You must upload a personal statement, no more than 500 words long, describing your background, interest in your field, and your academic and career objectives. You should be as specific as you can about the area in which you plan to study. If you are an MFA applicant, you should include your ideas, as well as the stylistic and conceptual priorities for your work.

University of Pennsylvania, Weitzman School of Design

要旨「あなたの経歴、興味のある分野、学術・キャリアの目的について、勉強したい内容を具体的に述べつつ、500wordsを上限にまとめなさい」

Submit an essay that addresses your background as it relates to your academic and professional interests, and why you wish to pursue the GSD degree program to which you are applying. Limit responses to approximately 1,000 words.

Harvard University, Graduate School of Design, ※Master of Architecture in Urban Designの場合

要旨「あなたの経歴と学術・専門的な関心分野を関連させ、また、なぜGSDで学びたいのかを1,000words程度でまとめなさい」

A personal statement is required for admission to each program (with the exception of Introduction to Architecture). In approximately 500 words, describe your background, your past work in your intended field of study and your plans for graduate study and a professional career.

Columbia University, Graduate School of Architecture, Planning and Preservation

要旨「あなたの経歴、関心分野における過去の業績、大学院での勉強計画および将来キャリアについて500words程度でまとめなさい」

Please discuss (with clarity and focus) why you want to study your proposed subject field, why you want to study at UC Berkeley, and how our program can help you achieve your academic and professional goals.

UC Berkeley, College of Environmental Design

要旨「なぜ提案する分野を学びたいのか、なぜUC Berkeleyで学びたいのか、どのように私たちのプログラムがあなたの学術・専門的ゴールを達成するために有益なのか、について、明確かつ焦点を当てつつ議論しなさい」

これらの質問を見てみると、建築・デザイン系の専門職系大学院の場合、経歴、関心分野、勉強計画、〇〇大学院の理由、キャリアゴール、などがキーワードとして挙げられており、出願に当たっては、これらの観点からエッセイをまとめる必要があることがわかります。

構成を考える

質問の内容を理解したら、次はエッセイの構成です。

そして、私が実際に採用し、まおすすめするエッセイの構成は、次の4段落構成となります。

  1. 特定の分野に関心を抱いた背景・過去の業績・課題意識
  2. 大学院で学びたい分野・研究内容
  3. 〇〇大学院で学びたい理由
  4. キャリアゴールにおける留学の位置付け

では、一つずつ見ていきましょう。

特定の分野に関心を抱いた背景・過去の業績・課題意識

先ず、第一パラグラフでは特定の分野に関心を抱いた背景を述べます。

建築系大学院へ出願するなら、建築を学びたいと思い始めたきっかけや、学部時代に勉強した内容、職歴がある場合はキャリアで築いた業績などを述べます。

また、可能であれば、次の段落で述べる「大学院で特に学びたい内容・分野」へ繋げられるあなたの課題意識も入れ込むことも有益です。例えば、「〇〇について学んできたが、キャリアを通じて特に〇〇という課題を解決しなければいけないことを実感している」などです。こうすることで、第一パラグラフと第二パラグラフを上手くつなげることができるでしょう。

大学院で学びたい分野・研究内容

次に、第二パラグラフでは大学院で学びたい内容・研究分野を述べます。

ここのポイントとしては、第一パラグラフからの流れを汲んで、できる限り具体的に述べることです。大学院へ進学する目的はこのパラグラフで示す必要があるため、何を学びたいのか、また何を研究したいのかを、第一パラグラフの課題意識と関連付けて述べることが重要です。

例えば、上記の流れを踏まえて、「〇〇という課題を解決するための国際的な潮流は〇〇というアプローチであるため、〇〇アプローチについて学びたい」ということや、「〇〇アプローチの実際の効果や、妥当性を検証するような研究を行いたい」ということなどです。

〇〇大学院で学びたい理由

第三パラグラフでは、出願する大学院で学びたい理由を述べます。

世界には数多くの大学院がある中で、特定の大学院へ出願するのには何かしらの理由があるはずです。もちろん、専攻したい分野の大学ランキングで上位に位置しているとか、単に有名であるということも理由としてあるでしょう。しかし、ランキングの上位に位置していることは、学びたい分野・研究内容に合致していることと、必ずしもイコールではありません。

ここでは、専攻したい分野・研究内容を踏まえて、出願する大学院が望ましい機会を提供してくれる、という観点から述べることが重要です。

例えば、「〇〇アプローチについて多数の論文を出している○○教授がいる」といことや、「○○という課題を解決するため、定量的・定性的な分析手法を用いたいと思っている中、出願する大学院では数多くの分析手法に関するコースが提供されている」ということなどです。

キャリアゴールにおける留学の位置付け

最後のパラグラフでは、あなたのキャリアゴールを述べます。

大学院へ留学することは、もちろん一つの目的として考えられますが、それはあなたの最終目標ではありません。あくまでも、あなたは別のキャリアゴールがあり、そのキャリアゴールを達成するための一つの過程として、留学するのです。

そのため、最終パラグラフではあなたの将来ビジョンや、留学後に成し遂げたいことを述べましょう。博士課程への進学も視野に入れている場合は、こちらのパラグラフで言及することが望ましいです。

留学目的を軸としたストーリーを考える

効果的なエッセイを書く次のポイントとして、一貫性のある内容とすることです。

一貫性のある内容とするためには、軸となる学びたい分野・研究内容(第二パラグラフ)を先ず固めた上で、それに肉付けする形で第一・三・四パラグラフを考えていくとよいでしょう。

私の知り合いのアメリカ人を例にとると、彼は「低所得者層への住宅供給手法を学び、ニューヨークの住宅政策が低所得者へ寄与しているかを研究したい」という目的を持っていました。これは主に第二パラグラフに述べる内容で、大学院へ進学する目的の軸となります。そして、この軸を念頭におき、各々のパラグラフの構成を考えるのです。

例えばこちらが一貫性のある内容となります。

第一パラグラフ「私は低所得者の家庭に生まれ、賃料の低いアパートを何度も移り住んだ。アメリカでは低所得者層への住宅供給が都市政策における大きな課題の一つであり、私も身をもってこの問題を認識している」

第二パラグラフ「この課題認識の基、低所得者層への住宅供給手法を学び、生まれ育ったニューヨークの住宅政策が低所得者へ寄与しているかを研究し、改善策を提言したい」

第三パラグラフ「住宅政策を勉強する上で、〇〇大学は住宅政策に特化した研究センターがあり、低所得者層への住宅供給にかかる研究で著名な〇〇教授がいる。また、研究する上ではできる限り定量的な手法を用いたいと考えている中、〇〇大学院は定量手法を学ぶことができるコースを複数提供している」

第四パラグラフ「大学院を卒業したら、ニューヨークの住宅政策に寄与できる組織、例えばニューヨーク市の都市政策局で勤務して、低所得者層への住宅供給に尽力したい」

このように、終始一貫した内容で議論を展開することで、出願書類の評価者もすんなりと理解することができ、評価の高い効果的なエッセイとなるのです。

文章を推敲する

最後のポイントは、文章を何度も推敲することです。

各パラグラフの骨子を決めた後は、指定の文字数へ到達するまで文章を肉付けしていきます。そして指定の文字数にある程度落ち着いたら、文章を何度も推敲して納得のいく表現に仕上げるのです。

この時に意識しなければいけないのは、エッセイ(小論文)の基本は英文でのアカデミックライティング、ということです。

英文のアカデミックライティングは、スラングを避けるなど、いくつかのお作法が存在します。いくつかの例を挙げるとこちらとなります。

  • 短文で簡潔な文章とする
  • 主語と述語に焦点を当て、形容詞・副詞は必要最低限に留める
  • 受動態を使わず能動態で書く
  • 句動詞ではなく単体動詞を使用する

更なるアカデミックライティングの書き方は、様々なブログで紹介されていますので、ある程度エッセイが出来上がったら是非ともご覧になることをおすすめします。

また、英語が苦手な人や自信のない人は、Grammarlyなどの自動添削アプリや、Wordviceのような有料の添削サービスを利用しても良いでしょう。特に、有料の添削サービスは、文法を直してもらえることに加えて、エッセイの論理構成へもコメントしてくれるため、文章を推敲するのに役立つことでしょう。

別な形の質問の場合

以上が、私の考える効果的なエッセイの書き方です。

しかし、こちらの記事で紹介した内容は、あくまでも一般的な質問を想定したものです。大学院によっては別な形の質問があるため、出願者はその質問に応じて構成を考える必要があります。

例えば、StanfordのGraduate School of Businessでは、”What matters most to you, and why?” という質問へ対して、エッセイで答える必要があります。

この質問へ答えるためには、こちらの記事で紹介した経歴→学びたい内容→○○大学院を志望する理由→キャリアゴール、という構成は全く役に立ちません。そのため、この質問に応じた構成を考える必要があるのです。

そして、詳細は省きますが、このような質問へ対して「大学院留学のためのエッセーと推薦状」では次の3段落構成とすることを勧めています。

  1. イントロダクション(導入)
  2. サポート(議論の展開)
  3. コンクルージョン(結論)

そのため、繰り返しになりますが、先ずはエッセイで問われている質問をしっかりと理解して、適切な段落構成を検討する必要があるのです。そして、文章の推敲を繰り返し、納得のいくものへ仕上げることが良いエッセイを書くポイントとなります。

オススメ記事「米国大学院へ出願するために必要な書類を紹介します(専門職系大学院)」はこちらから


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