こんにちは、独学家(セルフ・ラーナー)のKuroです。
このブログでは、独学での大学受験や一級建築士試験、海外留学についてのノウハウを発信しています。
こちらの記事では、外部の奨学金を得てアイビーリーグの一校へ留学したKuroが、大学院留学における留学先の選び方、について紹介します。
はじめに
大学院へ留学しようと考えている方は、どのように留学先を選ばれているでしょうか。
多くの人は、大学のランキング、例えばQS Universities Rankingsや、World University Rankingsで上位の大学を把握して、自身の興味関心のある分野と照らし合わせて、それらの大学がどのようなプログラムを提供しているのかを調べているのではないでしょうか。または、特定のプログラムを基にランキングを調べて、大学を選んでいるのではないでしょうか。
現に、私もランキングを基に主要な大学を把握して、それらの大学がどのようなプログラムを提供しているのかを調べました。
しかし、留学先を選ぶ視点はランキングだけではありません。
こちらの記事では、大学院留学における留学先の選び方を紹介いたします。これから大学院を選ばれる方や、複数の大学院に受かっていてどの大学にしようか迷われている方に有益な情報が含まれていますので、是非ともご覧ください。
留学先の選び方

先ず、私の考える留学先を選ぶ視点はこちらとなります。
- プログラムの内容で選ぶ
- 知名度で選ぶ
- 費用で選ぶ
- 都市で選ぶ
では、一つ一つ見ていきましょう。
プログラムの内容で選ぶ
留学先を選ぶ上で先ず重要なのは、プログラムの内容です。
大学院へ留学するということは、学びたいことやご自身の問題意識がある程度明確になっていて、それらの分野を学びたいのだと思います。そのため、検討しているプログラムが、ご自身の興味関心のある分野を学ぶ機会を提供しているかどうか、は重要な選択要素となります。
プログラムの内容を判断する上では、どのようなクラスを提供しているか、必修コースの割合はどの程度か、卒業要件は何か、というような視点が有益でしょう。
クラスの内容
クラスの内容は、検討している大学にどのような専門分野を持った教授がいて、どのようなクラスを提供しているのか、ということです。
海外の大学院は通常、1学期に取れるコース数は3~6程度に限られています。これは、一つ一つのクラスボリュームが大きいため、あまりに多くのクラス数を求めた場合は、学生が心身の健康を害する恐れがあるため、大学側が取れるコース数を限定しているのです。
1学期中に取れる授業数が限定されていることから、学生は自身の興味関心に基づきつつ、一つ一つのクラスを真剣に選びます。
そのため、ご自身が学びたいことが明確になっている人ほど、検討しているプログラムにおいてどのようなクラスが提供されているのかを把握することが重要になってくるでしょう。
必修コースの割合
必修コースの割合は、卒業に必要な合計単位数のうち、必修科目がどの程度占めているのか、ということです。
プログラムによっては、必修科目が限定的で幅広い選択の余地を残しているものもあれば、必修科目が多くて選択範囲の狭い大学院もあります。必修科目とご自身の学びたい内容がマッチしていればそれに越したことはないですが、仮に必修科目がご自身の学びたい内容とマッチしない場合は、必修科目が少なくて、選択科目の余地が広い方が望ましいでしょう。
必修科目が多いにも関わらず、ご自身の学びたい内容が必修科目に含まれていない場合は、そのプログラムを選択するは避けた方が良いでしょう。
卒業要件
卒業要件は、大学院を修了するにあたりどの程度の単位・クラス数を取得しなければいけないのか、を知ることです。
大学院によっては、2年プログラムで16クラスを取得しなければいけないものや、2年プログラムで20クラスを取得しなければいけないものなど、様々です。
もちろん、2年で20クラスの方が、2年で16クラスより忙しい毎日を送ることになるでしょう。
また、卒業要件として、卒論が必須となるのかも調べておいた方が無難です。人によっては論文執筆が苦手であったり、得意であったりするでしょう。そのため、仮に検討しているプログラムが卒論必須にも関わらず、ご自身が論文執筆に苦手意識がある場合は、そのプログラムは避けた方がよいと思われます。
知名度で選ぶ
次のポイントは知名度です。
QS Universities RankingsやWorld University Rankingsで上位になっている大学は知名度が高く、誰もが知っている大学でしょう。そのため、これらの大学を卒業していれば、ある程度の世間体を得ることができ、また就職活動で出身大学をアピールすることができます。
他にも、知名度の高い大学は、相応の教授が集まっているため質の高いプログラムやクラスの内容を期待することができます。
私の場合は、同じ学位が得られる複数の大学院に受かり、どの大学院へ進学するか迷いました。そしてこの際は、最終的には知名度で選びました。というのも、先に留学していた友達に相談した際、その人は「最終的に得られる学位が同じだとしたら、各大学院が提供するプログラムの内容は大差ないため、それなら知名度の高い大学へ行った方が良い」という主張でした。このアドバイスに心を動かされ、最終的には合格していた大学院の中で、最も有名な大学へ進学した次第です。
費用で選ぶ
次のポイントは費用です。
これらの記事で紹介しているとおり、留学は費用が嵩みます。授業料や生活費、書籍代、更には保険代まで、合計すると1年で1千万円程度を見積もっておく必要があるでしょう。
その中で、留学費用を左右するのが授業料と生活費です。
授業料は公立の方が安いため、費用を抑えたい方は公立の大学院を選ぶのが無難でしょう。また、生活費は都市によって変わります。大きな都市ほど生活費は高いと考えた方が良く、ニューヨークの大学(例えばコロンビア)へ進学するとなると、相応の生活費が必要となるため留意が必要です。
また、複数の大学院へ受かっている場合は、大学から奨学金オファーを貰っているかどうかも決め手の一つとなります。
都市で選ぶ
最後のポイントは、都市です。
都市で選ぶとは、物価、アメニティ、インターンの機会、他大学との連携、という視点となります。
物価
物価とは、主に生活費(飲食費と住居費)のことを指します。
大都市ほど物価が高いため、大都市に位置している大学院へ進学しようとしたら、相応の費用が必要になると考えておいた方がよいでしょう。
アメニティ
アメニティとは、その都市に暮らすことで、どのくらい豊かな生活を送れるかを指します。
数多くのレストラン、カフェ、美術館があるなど、都市的生活を好まれる方は大都市の方が望ましく、一方で、自然の中で生活したいという方は、郊外や農村部に位置している大学の方が望ましいでしょう。
インターン
2年生大学院の場合、1~2年目の夏~秋(6~8月)にかけてインターンをする人が多いです。
インターンの機会は多数の企業が立地している大都市ほど多いため、様々な企業の中からインターン先を選びたいという人は、大都市に位置している大学の方がよいでしょう。もちろん、夏季中だけ他都市へ移り住んでインターンすることも可能ですが、移動費や住居費が必要となるため留意が必要です。
時給換算で費用が決まるところが多い印象ですが、
他大学との連携
他大学との連携とは、単位の交換制度があるかどうかという視点です。
というのも、都市によっては複数の大学が位置していて、近隣大学と単位の交換が認められています。
例えば、ボストンにはMITやハーバード、ボストン大学、タフツ大学が位置しており、単位交換制度(Cross Registration)が認められています。そのため、例えば興味のある授業が他大学で提供されていた場合に、その大学の授業を取ることができることから、ご自身の取りたい授業が取れる確率が高まります。
最後に
こちらの記事では、大学院留学における留学先の選び方を紹介しました。
ご紹介したとおり、留学先の選び方は、知名度(ランキング)だけではありません。知名度だけで選んでしまうと、プログラムの内容がご自身の関心と沿わなかったり、思いがけない出費となってしまいます。
現に、最終的に私は知名度で留学先を選びましたが、1.2学期目は必修授業が多かったため、なかなか自分の興味に沿った授業を取ることができず、歯がゆい思いをしました。
これから留学先を選ぼうとしている人は、是非とも様々な視点から選択肢を検証して、納得のいく大学を選ぶことをおすすめします。