米国大学院への留学費用と、費用を工面する方法を紹介します(最低1,000万円は必要です)

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留学

こんにちは、独学家(セルフ・ラーナー)のKuroです。

このブログでは、独学での大学受験や一級建築士試験、海外留学についてのノウハウを発信しています。

こちらの記事では、外部の奨学金を得てアイビーリーグの一校へ留学したKuroが、米国大学院への留学費用と、その費用を工面する方法、について紹介します。

結論からいうと、ハーバードの専門職系大学院へ留学するためには最低1,000万円/年が必要です。

米国大学院への留学費用

よく言われていることですが、米国大学院へ留学するためには相応のお金が必要となります。特に、私が留学した建築・デザイン系の大学院や、MBA、法学などのProfessional School(専門職系大学院)と呼ばれている大学院は費用が嵩みます。というのも、修士と博士が一体となっているGraduate School(学術系大学院)と異なり、大学から奨学金を得て授業料が満額免除になることは稀であるからです。

そこで、こちらの記事ではProfessional Schoolへの留学を想定した必要費用と、奨学金を得る重要性について紹介いたします。

また、次の記事ではイギリスとアメリカの大学院留学費用を比較していますので、こちらも合わせてご覧ください。

授業料

まず、留学において最もお金が必要となるのが授業料です。

授業料は私立、公立によって大きく異なり、また私立でも大学によって異なります。更には、同じ私立大学でも、専攻によって授業料が変わってきます。

参考として、私が留学した建築・デザイン系の授業料を少し見てみましょう。

※Tuition, Student Service Fee, Berkeley Campus Fee, Nonresident Supplemental Tuition, Professional Degree Supplemental Tuitionを合計

この表をみると、私立は$55,000~$63,000、公立は$35,000程度となっています。

これはあくまでも2022-2023の1年間の費用であり、2年間のプログラムの場合にはこちらの金額が2倍になります。また、アメリカの大学では授業料が毎年5%程度上がることにも留意しなければなりません。

上記の表は建築・デザイン系Schoolの授業料でしたが、参考としてハーバード大学のいくつかのSchoolの授業料はこちらとなります。

Schoolによって授業料が異なり、特にMBAの授業料が最も高いことがわかります。MBAの授業料が高いというのは、他の大学においても同じ傾向が見て取れます。

生活費・住宅費

次に大きい支出となるのが生活費と住宅費です。

生活費と住居費は都市によって異なり、大都市ほど高い傾向があります。参考として、主要都市の生活費と住居費を掲載しているサイトをみてみると、主要な大学が立地する都市の中では、ニューヨーク、サンフランシスコ、バークリー、ボストンなどが高い傾向にあります。

参考として1年間に必要となる生活費と住宅費を掲載している大学が多く、例えばコロンビア大学では$41,760(Living+Personal)、MITでは$40,860(Housing+Food+Personal)と試算されています。

これはあくまでも単身者を想定した費用ですので、家族連れの場合には更なる費用が想定されます。

保険料

また、忘れてはならないのが保険料です。

殆どの大学では保険への加入が義務付けられており、特に大学が指定する保険への加入が求められています。仮に大学指定の保険ではない保険へ加入するとなると、その保険が大学保険と同等のカバレッジであることが条件となっています。

保険料はいずれの大学も凡そ$4,000/年程度となります。また、こちらの保険には歯科保険が入っておらず、仮に歯科保険へも加入するとなると追加で$1,000/年程度必要となります。

その他

以上が留学する上での主要な費用となりますが、その他にも様々な支出が出てきます。

例えば、米国への渡航費、書籍代、交通費などです。これらは大学の位置する都市によって異なってきますが、2年間で最低$5,000程度は見ておいた方がよいでしょう。

また、小さな子供連れの場合はDay Careへ通わせる費用も必要となります。アメリカのDay Careはとても高く、週に5日通わせるとなると、$1,500~$3,000/月もの費用が必要となってきます。

留学費用の合計

こちらで紹介した費用を用いて留学費を試算してみると、例えばハーバードのデザイン大学院へ単身で留学する費用はこちらとなります。

$55,000/年×2年(学費)+$40,860/年×2年(生活費・住宅費)+$4,000/年×2年(保険料)+$5,000(渡航費等) = $204,720 ≒ 26,600,000円(1ドル=130円として試算)

こちらは2年プログラムを想定したものとなります。各大学のプログラムによっては1年または3年のものもありますので、こちらの費用は年数に応じて変わってきます。

また、別都市への旅行費用や、家族連れの場合のDay Care費用はこちらに含まれていないため、留学生の状況に応じてこちらの金額は更に増えることが想定されます。

留学費用をどのように工面するか

留学費用の工面が必要なイメージ

では、日本からの留学生はこの高い留学費用をどのように工面しているのでしょうか。

私の知り合いは、主に次のカテゴリのうち、1つまたは複数の方法を使って工面していました。

  1. 家族や自身の貯蓄から工面する
  2. 所属している企業や官庁から工面してもらう(社費留学)
  3. 外部の奨学金を得て工面する
  4. 大学からの奨学金を得て工面する
  5. Research AssistantやTeaching Assistantをして工面する

では、実際に私が見た例を基にして、各々の特徴を見ていきましょう。

家族や自身の貯蓄から工面する

先ず挙げられるのが、家族や自身の貯蓄から工面することです。

家族から工面してもらう人は、学部から大学院へ直接進学した人など、自身の貯蓄では十分に賄いきれない人となります。この場合、数千万円もの留学費用を支出してもらうことになるため、家族に相応の余裕がないと難しいでしょう。

自身の貯蓄から工面する人は、卒業して数年間働き、ある程度纏まった貯蓄を持っている人となります。私の周りでは留学を目指してコツコツと貯めてきた人が多い印象で、高いモチベーションをもって勉強していました。

所属している企業や官庁から工面してもらう(社費留学)

次に挙げられるのが、所属している企業や官公庁から工面してもらう、いわゆる社費留学の人です。

私が留学した大学にも社費留学の人が多数おり、名のある大企業や中央省庁からの留学生でした。企業からの留学生はMBAで学んでいる人が多く、中央省庁からの留学生は公共政策や教育など、自身の担当している公的業務の専門性を深めることができる専門課程で留学している人が多い印象です。

社費の留学生は、会社や省庁で数年勤務した後に留学している人が大勢であるため、概ね30歳前後の人たちが多くなります。

外部の奨学金を得て工面する

他の代表的な方法として、外部の奨学金を得て工面することが挙げられます。

返済不要の給付型奨学金だけみても、世の中にはたくさんの奨学金が存在しています。学費の一部から満額をサポートするもの、1年間などの期間限定で支給されるものやプログラムの全期間に亘って支給されるもの、円建てで支給されるものやドル建てで支給されるものなど、様々です。

また、奨学金によっては大学への出願前に選考が終わるものもあり、そのような奨学金を得ていれば大学へ受かりやすくなるというメリットもあります。

大学からの奨学金を得て工面する

他の奨学金の形として、大学から奨学金を得ることもあります。

これは外部の奨学金とは異なり、合格した大学から奨学金を得るということです。多くの大学は合格通知を出すと同時に、奨学金をオファーできるかどうかも通知します。場合によっては授業料の満額近くの奨学金が出ることもありますし、一部のみの支給や全く支給されないこともあります。

奨学金を得られるかどうかは、出願者の経歴に加えて大学の難易度にも左右され、トップスクールほど奨学金を得ることが難しい傾向があります。

また、奨学金を得られるといっても基本的には授業料を対象としたものであるため、生活費は自分自身で工面する必要があります。

Research AssistantやTeaching Assistantをして工面する

最後に、指導教官などの教授から仕事を貰うことが挙げられます。

教授の研究を手伝うResearch Assistantや、特定の授業のお手伝いをするTeaching Assistantが代表的なものです。私の周りでは、Research Assistantは時給ベース、Teaching Assistantの場合は学期ベース(1授業を1学期間手伝って$○○の報酬)、という形で働いている人が多かったです。

しかし、自身の勉強と並行してこれらの仕事をするため、1学期中にできる量にも限界があります。多くても数千ドル程度であることから、これだけで授業料を工面することは不可能に近いでしょう。

私もResearch Assistantをしていましたが、1学期中に得た報酬は$1,500程度で、毎日の飲食代に消えていきました。

まとめ

こちらの記事で紹介したとおり、留学は費用を伴うものとなります。

また、費用を工面するためには様々な方法があり、それぞれの留学生が独自の資金源を見つけて留学しています。

しかし、私の周りには一つだけの資金源で留学している人は少なく、複数の資金源を活用している人が殆どでした。例え社費留学の人でも、会社から十分なサポートが得られないために貯蓄を切り崩していたり、外部の奨学金を貰っていても、授業料を十分に工面できないことから貯蓄を切り崩したり大学で働いている人が多くいました。

高い留学費用をどのように工面するかは全留学生の課題です。これから留学しようと検討されている方は、出願書類の準備を進めることに加えて、資金源の確保も並行して進められることをおすすめします。


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