こんにちは、独学家(セルフ・ラーナー)のKuroです。
このブログでは、独学での大学受験や一級建築士試験、海外留学についてのノウハウを発信しています。
こちらの記事では、アイビーリーグの一校(建築・デザイン系大学院)へ外部の奨学金を得て留学を果たしたKuroが、2年間で攻略する大学院留学へ向けた準備スケジュール、について紹介します。
4つの観点から見る留学スケジュール
大学生や社会人の中には、大学院へ留学したいけれども、いつから準備を開始したらわからないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
結論からいうと、ブログ主であるKuroは、留学を開始する2年前から準備を始めることをおすすめします。

2年間の準備スケジュールと聞いて、なぜ「2年間」と疑問に思った方もいらっしゃるかと思います。
それは、英語が母国語ではない人は試験のスコアメイクに1年程度を見込んでおいた方が良いからです。そのため、帰国子女の方などスコアメイクに時間を必要としない方であれば、より短い期間で準備を終えることができるでしょう。
2年の準備スケジュールを見込むため、仮に7月時点で留学しようと思い立ったとしたら、2年後(正確には26ヶ月後)の9月より留学を開始することが目標となります。思い立ってから実際に留学するまでに長い期間を要しますが、それだけの時間が必要となることを心得ておきましょう。
こちらの記事では、次の4つの観点から2年で攻略する大学院留学へ向けたスケジュールを紹介します。
- 試験のスコアメイク
- 奨学金への応募
- 大学院への応募
- 渡航準備
試験のスコアメイク
大学院留学を思い立ったたら先ず初めに取り組まなければいけないのが、試験のスコアメイクです。


大学院留学を果たすためには大きく分けて二つの関門があり、その一つ目が試験のスコアメイクです。
試験とは、イギリス留学の場合はTOEFLまたはIELTSという英語試験を指し、アメリカ留学の場合はTOEFLまたはIELTSという英語試験に加えて、GREまたはGAMTという学力試験を指します(イギリスの上位校ではGREまたはGMATが必要な場合もあります)。
- イギリス大学院:英語試験(TOEFL/IELTS)
- アメリカ大学院:英語試験(TOEFL/IELTS)+学力試験(GRE/GMAT)
英語試験のスコアメイク
英語試験はTOEFL iBTまたはIELTSを受験することが一般的です。
英語能力を証明するための試験です。英語試験というと日本ではTOEICが一般的ですが、留学にはTOEICは使えず、TOEFL iBTかIELTSを受験することになります。
両者とも、リーディング、リスニング、スピーキング、ライティング、という4つのセクションから構成されています。TOEFL iBTは各セクション30点満点の合計120点満点、IELTSは1.0~9.0のバンドスコアで評価されます。
特に、殆どの大学は英語試験の最低点を設定しているため、TOEFLまたはIELTSでスコアメイクできない限りは留学は難しいと考えてよいでしょう。
各大学が設定している最低点は、TOEFL iBTの場合は80~100点が多く、IELTSの場合は6.0~7.0が多い印象です。しかし、一部のトップスクール(ハーバードのビジネススクールなど)は、TOEFLは109点、IELTSは7.5と、更なる高得点が必要となります。
そして、数ある出願書類のうち、多くの人にとって英語試験のスコアメイクが最も準備に時間を要するものとなります。
英語を普段使用しない人ならば、目標点にもよりますがスコアメイクするために1年は見ておいた方が無難です。大学院の出願時期は通常、11月~翌年1月となるため、前年の10月頃より開始することをおすすめします。そしてここに、「2年」という大学院留学へ向けたスケジュールの根拠があるのです。
学力試験のスコアメイク
英語試験に加えて受験しなければいけないのが学力試験です。
学力試験はGREとGMATがあり、アメリカにおける多くの大学院と、イギリスのトップ校で必要とされます。
GREはVerbal170点満点、Quantitative170点満点、Analytical Writing6点満点で測定されます。一方、GMATはAnalytical Writing6点満点、Integrated Reasoning8点満点、Quantitative ReasoningとVerbal Reasoningで合計800点満点、として評価されます。
ビジネススクールはGMATの提出を要求しているところが多く、ビジネススクール以外はGREを要求しています(Kuroが留学した建築・デザイン系大学院もGREでした)。
英語試験と異なり、多くの大学院では学力試験の最低点を要求していないのが特徴です。そのため、高得点者はプラス評価となるものの、得点が低いからといって足切りされる心配はないでしょう。
GPAが低い人などは、学力試験で高得点を取って出願書類のバランスを整えることも有効です。しかし、あくまでも重要度の低い補足的な出願書類と捉えてよいかと思います。TOEFLやIELTSで培った英語力はGREやGMATにも生きるため、先ずは英語試験に注力されることをおすすめします。
なお、コロナ禍に伴ってGRE/GMATの提出を免除または任意としている大学院もありますので、志望する大学のホームページを確認して最新情報を入手しましょう。
奨学金への応募
試験のスコアメイクと並行して進めなければならないのが奨学金への応募です。

奨学金を得る必要性
そもそも、大学院へ出願する際に、外部の奨学金を得ておく必要はあるのでしょうか。
回答として、大学院への出願に必須ではありません。しかし、色々と考えると外部の奨学金を得ておくメリットはかなり大きいです。というのも、大学院留学において費用の工面は大きな関門だからです。

大学院留学を果たすためには大きく分けて二つの関門があり、その二つ目が留学費用の工面です。
留学には相応の費用が必要となります。次の記事で紹介しているとおり、イギリス、アメリカの大学院を卒業するためには、1,000万円/年の支出を見込んでおく必要があります。
また、外部の奨学金を得るメリットは費用を賄えることだけではありません。
大学院への出願準備をスムーズに進められることや、大学院へ合格できる可能性が高まるなど、他にも大きなメリットがあります。
奨学金の応募スケジュール
では、奨学金への応募はどのようなスケジュールで進めればよいでしょうか。
主要な奨学金は5月~10月にかけて締め切られるため、これに合わせて応募書類を準備しておく必要があります。
- フルブライト奨学金:5月末(オンライン登録締め切り)
- 中島記念国際交流財団:8月中旬
- 伊藤国際教育交流財団:8月下旬
- JASSO:10月上旬
- 世界銀行:翌4月上旬
また、奨学金へ応募するためには、英語試験のスコアや、志望動機書(エッセイ)、志望大学リスト、履歴書、推薦書、成績証明書、などの書類が必要となってきます。
これらの書類を用意するためには、英語試験のスコアメイクを進めておかなければならなかったり、各大学院のプログラムを調べたり、推薦候補者へ連絡を取って推薦してもらう依頼をしたりと、相応の準備期間が必要となります。
急げば1~2ヶ月程度で全ての書類を準備できるかもしれませんが、その場合は不十分で競争力の低い書類となってしまう懸念があります。満足のいく応募書類としたい場合は、最低でも3ヶ月~半年の準備期間を見込んでおきましょう。
大学院への出願資料準備
奨学金への応募がひと段落着いたら、次はいよいよ大学院への出願です。

大学院への応募に必要な書類
海外の大学院へ出願するためには多くの書類が必要となります。
- 願書(Application)
- 成績証明書(Transcripts)
- 推薦書(Recommendation Letter)
- エッセイ(Essay/Statement of Purpose)
- 履歴書(Curriculum Vitae)
- 英語試験スコア(TOEFL iBT/IELTS)
- 学力試験スコア(GRE/GMAT)
- ポートフォリオ(Portfolios ※建築・デザイン系志望の場合)
こちらを見てお気付きかもしれませんが、大学院への応募書類の多くは、外部の奨学金への応募書類と重なるものです。そのため、もし留学にあたって外部の奨学金へ応募していたなら、大学院への応募は比較的容易に済ませることができます。
また、こちらの記事では、各書類の詳細を説明しています。
大学院への応募スケジュール
では、どのようなスケジュールで出願書類の準備を進めればよいでしょうか。
基本的には大学院への出願締め切りから逆算して考えましょう。アメリカ大学院の締め切りは12~翌1月ごろ、イギリス大学院はローリング制を採用しているため締め切りは11月から順次となります。そのため、ここから起算して、書類を準備するのに必要となる期間を想定して計画を立てます。
そして、書類の準備期間は先に説明したとおり、外部の奨学金へ応募したかどうかに左右されます。
もし外部の奨学金へ応募していて、大学院への出願書類の大枠ができている人なら、2~4ヶ月もあれば準備できるでしょう。エッセイの骨子も出来ていると思われますし、推薦者も奨学金へ応募した時と同じ人(+1~2名)へお願いすることができます。
一方で、外部の奨学金へ応募していない場合は、最低でも3~6ヶ月は見込んでおきましょう。数ある出願書類の中でも、エッセイと推薦書の準備は時間を要します。重要な出願書類の一つであるエッセイは推敲が求められますし、推薦者もゼロから見つけて依頼しなければなりません。
また、MBAへの出願者は、このタイミングで面接の準備をすることも必要となります。
結果通知~渡航準備
最後に、結果通知から渡航準備です。

出願結果は通常、イギリス大学院なら応募後順次、アメリカ大学院なら2~3月ごろに届きます。大学から合格通知を得たら、喜びをかみしめましょう。最高の瞬間です。
奨学金の交渉
しかし、喜びに浸りながらも、もうひと踏ん張りしましょう。それは、奨学金の交渉です。
出願者によっては、大学から給付型奨学金付の入学オファーを貰えることがあります(特にアメリカの場合)。大学からの奨学金は、高い留学費用を工面するのに大変有難いものです。しかし、大学からの奨学金を加味しても、留学費用を潤沢に準備できていることは稀でしょう。
そこで、少しでも多くの留学費用を確保するために、大学へ奨学金を上乗せしてもらうよう交渉してみましょう。
一見無謀のように見えますが、ブログ主であるKuroがアメリカのアイビーリーグへ留学した際、大学と交渉して奨学金を上乗せしてもらったという人が複数いました。日本人は遠慮してしまうかもしれませんが、労力の割にはリターンが大きい試みなので、是非ともチャレンジされることをおすすめします。
渡航準備
ここまできたら、後は渡航準備をするだけです。ビザの申請や、航空券の手配、現地の住居探しなど、淡々と進めましょう。
英語に自信のない人は、支障のない留学生活を迎えるためにも、この期間を利用して英語の勉強を継続されることをおすすめします。
他にも、推薦書を書いてくれた上司・教授へのお礼や、日ごろお世話になっている友達や先輩・後輩への挨拶など、しっかりと行いましょう。
まとめ
こちらの記事では、2年で攻略する大学院留学へ向けたスケジュールを紹介しました。
留学における二つの関門は、英語試験のスコアメイクと高い留学費用をの工面です。
英語試験のスコアメイクは、普段英語を使用しない人にとって時間と労力を要する挑戦です。出願の1年前から準備を始めることにより、満足のいくスコアメイクを目指しましょう。
また、外部の奨学金を獲得することで、高い留学費用を少しでも抑えることができます。仮に外部の奨学金を得られなくとも、奨学金へ応募した書類は大学院への出願時に大いに役に立ちます。奨学金への応募はメリットの大きい試みなので、スケジュールに余裕をもって準備されることをおすすめします。
こちらの記事が、留学を志した一人でも多くの方のお役に立てれば幸いです。

最後までご覧いただきありがとうございました!