留学に必要なTOEFLとIELTSの違いと、どちらが点数を取りやすいかを解説します

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留学

こんにちは、独学家(セルフ・ラーナー)のKuroです。

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こちらの記事では、留学に当たって必要となるTOEFL iBTとIELTSの違い、について解説します。

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はじめに

アメリカをはじめとして、海外の大学院へ留学するためには、英語試験のスコアを含めた数多くの書類を用意しなければなりません。

そして、留学に必要となる代表的な英語試験として、TOEFL(トフル)とIELTS(アイエルツ)が挙げられます。TOEFLは入試の選考基準として古くから採用されている一方、IELTSは比較的最近になって選考基準として認められてきています。※現在は殆どの大学院でTOEFLとIELTSが受け入れられています。

こちらの記事では、TOEFL iBTとIELTSの違いを紹介するとともに、どちらを受験した方がよいかを考察します。

TOEFLとIELTSの概要比較

先ず、TOEFL iBTとIELTSの概要を比較してみましょう。

こちらは両者の概要をまとめたテーブルとなります。

テーマTOEFL iBTIELTS
Reading3~4題
(30~40問)
3題
(40問)
Listening5~7題
(28~39問)
4題
(40問)
Speaking4題3パート
Writing2題2題
受験時間約3時間約2時間45分
受験形態コンピューターコンピューターまたは筆記
受験費用$245コンピューター形式:25,380円
筆記形式:25,380円
テストスコア120点満点
(各セクション30点満点)
1.0~9.0間の、0.5ポイント刻みのバンドスコア
(各セクション1.0~9.0のバンドスコアで評価され、総合点が出される)

このテーブルをみると、いずれもReading, Listening, Speaking, Writingという4つのセクションから成り立っていることがわかります。問題数も若干の差はありますが、大きくは違わないことが特徴です。

では、構成も問題数も似ている両者に違いはあるのでしょうか。次のセクションから見ていきましょう。

TOEFL iBTとIELTSの主な違い

先ず、私の考える主な違いはこちらとなります。

  • Speakingの相手
  • Readingの内容
  • Reading/Listeningの回答形式
  • Writingのボリューム
  • 統合問題の有無
  • 試験形態

では、一つずつ見ていきましょう。

Speakingの相手

先ず大きな違いとして挙げられるのが、Speakingにおける回答方法です。

TOEFLの場合はコンピューターベースの受験であるため、質問へ対してマイク付ヘッドホンで回答します。Speakingの試験とはいえ、対人ではないため、回答中は一人で英語をしゃべっている状況となります。また、Speakingセクションの前後は、周りの受験生の声も聞こえてきます。というのも、TOEFLの試験は一斉に開始されるのではなく、一人ずつ順番に呼ばれてパソコンが設定されます。そのため、受験生ごとの進度に若干の差があり、前に入った人ほど先に開始しているためSpeakingの声が聞こえてくるというわけです。

一方で、IELTSの場合、Speakingは対人となります。殆どはネイティブスピーカーがSpeakingの相手となり、質問へ対して相手へ語り掛けるように回答することとなります。回答相手が人であることから、仮に質問の内容がわからなかったとしても、問い直すことができます。

Readingの内容

次の違いとして、Readingの内容が挙げられます。

TOEFLの場合、Readingの内容は学術的テキストの抜粋となっています。単語数は700words程度であり、学術的テキストであることから、内容が濃く専門的な単語が使用されます。

一方で、IELTSの場合は学術的なテキストに加えて、新聞や雑誌などの抜粋もReadingのパッセージとして使用されます。新聞や雑誌からも抜粋されるため、学術的な内容のTOEFLよりも比較的わかりやすいものとなります。しかし、文章量は900words程度であることから、TOEFLよりも速読力が求められることとなります。

Reading/Listeningの回答形式

次の違いとして挙げられるのが、ReadingとListeningの回答形式です。

TOEFLは選択肢方式であり、Readingの一部を除いて4肢択一で回答することとなります。そのため、仮にわからない問題に直面したとしても、いずれかを選択することにより1/4の確率で正答することができます。

IELTSは一方で、文章の穴埋め問題など、選択方式に加えて自身で回答を記述しなければならない問題があります。Writingは回答の単語が文章中にあるため、スペルがわからなくて回答できないというケースはありませんが、Listeningは自身でスペルを正確に記載しなければなりません。いずれにせよ、当ててずっぽうで正答できるものではなく、また単純なスペルミスをすれば誤答となりますので注意が必要です。

Writingのボリューム

次に挙げられるのが、Writingのボリュームです。

TOEFLの場合は、Integrated TaskとIndependent Taskという2題を50分で回答しなければなりません。また、Integrated Taskの文字数は150 語~225 語、Independent Taskの文字数は300語以上が目安として挙げられています。

一方で、IELTSは2つのタスクを60分で回答することとなります。Task1の文字数は150語以上、Task2の文字数は250語以上が目安として掲げられており、TOEFLと比較すると余裕をもって回答することがでます。しかし、一般的にIELTSのWritingはTOEFLのライティングより点数が伸びにくいと言われているため、回答時間と単語数だけで単純に比較することは避けた方が良いでしょう。

  • TOEFL:50分で450~525words以上
  • IELTS:60分で400words以上

統合問題の有無

他の違いとしては、統合問題の有無が挙げられます。

統合問題とは、TOEFL特有の問題形式であり、Reading, Listening, Speaking, Writingという複数の能力を同時に試すものとなります。例えば、TOEFLのSpeakingでは、先ず文章を読み(Reading)、そのトピックに関する講師のレクチャーを聞き(Listening)、質問へ対して回答する(Speaking)という英語力を複合的に試す問題があります。

一方、IELTSは統合問題がないため、ListeningならListening、SpeakingならSpeakingと、各セクションの能力が純粋に試されることとなります。

試験形態

最後の違いとして、試験形態が挙げられます。

既に紹介したとおり、TOEFLはコンピューターベースのテストであるため、回答は全てコンピューターを用いて行います。Writingはキーボードを使用することが必須であるため、仮にタイピングに慣れていない受験生であれば苦戦してしまうでしょう。

一方で、IELTSはコンピューターと筆記とを選択することができるのが特徴です。そのため、仮にコンピューターの操作に疎い場合や不安がある場合には、筆記を選択することで不安を解消することができるでしょう。

どちらを受験するべきか?

では、TOEF iBTとIELTSでは、どちらの方が得点を取りやすいでしょうか。

結論から述べると、日本人にとってはIELTSの方が得点を取りやすいと考えます。その理由がこちらとなります。

  • Speakingを対面でできる
  • 統合問題がない
  • 日常的なテーマ

Speakingを対面でできる

IELTSをおすすめする最初の理由が、Speakingを対面でできることです。

日本人はReadingとListeningが得意である一方で、Speakingは苦手と言われています。そのため、Speakingでいかに点数を確保できるか、または最低限の点数を確保できるかが、高得点を取るポイントとなります。

TOEFLの場合はコンピューターへ向けてしゃべらなければならず、さながら独り言のようになります。また、回答時間もきっちり決まっているため、時間内に論理立った回答をすることが求められます。これは思っている以上に難しく、何とか時間内に回答しようとして、最終的には支離滅裂な回答をしてしまうことも珍しくありません。また、(本番にそのような余裕はないかもしれませんが…)自分の回答を周りの受験生が聞いていると思うと、英語に自身のない人は委縮してしまい、声が小さくなってしまうかもしれません。

一方で、IELTSはマンツーマンの試験となります。試験官は耳を傾けながら回答を聞いてくれますし、質問がわからなかった際には繰り返してもらうよう頼むこともできます。このように、コミュニケーションを取りながらSpeakingできるため、TOEFLよりもIELTSの方が点数がとりやすいと言われています。

統合問題がない

IELTSをおすすめする次の理由として、統合問題がないことが挙げられます。

統合問題とは、さきほど説明した通り、Reading, Listening, Speaking, Writingという複数の能力を同時に試すものです。そのため、仮に苦手分野が一つあったとしたら、別の分野へも影響してしまいます。

TOEFLはSpeakingとWritingにおいて統合問題があり、特にSpeakingの統合問題は普段英語を使用していない人にとっては至難となります。

一方、IELTSは統合問題がなく、各セクションでは各々の能力が純粋に試されることとなります。そのため、仮に苦手分野が一つあったとしても、それが他の分野の足を引っ張って全体的なスコアを落とすということがありません。

日常的なテーマ

IELTSをおすすめする最後の理由として、日常的なテーマを扱っているということがあります。

TOEFLは留学を想定した試験であるため、どうしても内容が学術的となり、難解な文法や単語が出題されます。一方で、IELTSは留学と移住を想定した試験であるため、学術的な内容に加えて日常的な内容も出題されます。特に、ReadingとSpeakingにおいて日常的なテーマが出題されることは、IELTSの方が得点が伸びやすい要因の一つだと思われます。

おまけ:受験料が安い

IELTSをおすすめする最後の理由として、TOEFLより受験料が安いことが挙げられます。

TOEFLとIELTSの受験料をみてみると、それぞれ$245/回、25,380円/回(コンピューターベース)となっています。仮に1ドル=130円として試算すると、TOEFLは31,850円/回となり、IELTSより5,000円程度高くなります。

日常的に英語を使用していない人にとって、留学に必要な得点を達成するためには、複数回受験してスコアメイクすることが必須となります。仮に5回受けるとしたら、両者で25,000円もの差となってしまいます。

最後に

こちらの記事では、TOEFL iBTとIELTSの違いと、どちらがスコアメイクしやすいかを紹介しました。

IELTSの方がスコアメイクしやすいと紹介しましたが、実際には個人の得意・不得意に左右されることとなります。また、一方の試験対策を進めた後に、ご自身の性分に合わないと判断してもう一方の試験へ軸足を移し、改めて試験対策をすることは効率的ではありません。

そのため、先ずは両方の試験問題を眺めてみて、できれば各々1回受験された上で、ご自身に合うと思われた試験の対策を本格化することをおすすめします。そうすることで、効率的に英語試験の対策を進めることができるでしょう。

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