こんにちは、独学家(セルフ・ラーナー)のKuroです。
このブログでは、独学での大学受験や一級建築士試験、海外留学についてのノウハウを発信しています。
こちらの記事では、外部の奨学金を得てアイビーリーグの一校へ留学したKuroが、イギリスとアメリカの大学院へ留学する費用を比較してみます。
はじめに
海外の大学院へ留学しようと思われている人の中には、アメリカとイギリスのどちらにするのか悩まれている方も多いのではないでしょうか。どちらも英語圏であり、専門性の高い大学院が揃っています。
留学先を選ぶ際は様々な決め手がありますが、そのうちの一つが留学費用です。
そこで、こちらの記事では、イギリスとアメリカの大学院に留学するための費用を比較してみます。なお、進学する大学院の専攻によって留学費用はことなるため、こちらの記事では私が留学した建築・デザイン系の大学院と、社会人にとって人気のあるMBAに絞って比較してみます。
イギリス大学院へ留学する費用

それでは先ず初めに、イギリスの大学院へ留学する費用を見てみましょう。
建築・デザイン系大学院(イギリス)
こちらは、イギリスの建築・デザイン系大学院2校へ留学するための年間費用となります。
大学名 | 授業料(年間) | 住居・生活費(年間) | その他 |
---|---|---|---|
University of Cambridge | £33,144 | £15,250 | £400 |
UCL | £28,500 | £15,184 | £400※ |
イギリスの大学院は通常1年プログラムですが、ケンブリッジ大学もUCLも、建築専攻は2年間のプログラムとなっています。そのため、実際に留学する際にはこちらのテーブルの2倍の費用が必要となります。
卒業に必要な費用を1ポンド=160円として換算してみると、ケンブリッジ大学は約1,560万円(780万円/年)、UCLは約1,400万円(700万円/年)の費用が必要となります。
なお、大学のサイトでも述べられているとおり、こちらの金額は最小限に見積もったものとなります。そのため、カフェに足繫く通ったり、外食を多用すれば、更に多額の費用が必要となります。
MBA(イギリス)
次に、イギリスの代表的なMBAへ留学するための費用です。
大学名 | 授業料(年間) | 住居・生活費(年間) | その他 |
---|---|---|---|
University of Cambridge | £61,000 | £15,250 | £400 |
University of Oxford | £65,520 | £17,820※1 | £400※2 |
※2 University of Cambridgeの値を参照に記載
建築・デザイン系の大学院と比較すると、授業料が高くなっています。これは、イギリス、アメリカ共に、MBAの授業料は一般的に他の専攻より高く設定されているためです。
一方で、イギリスのMBAは1年で修了するプログラムが殆どであり、こちらで紹介しているケンブリッジ大学もオックスフォード大学も1年のプログラムとなっています。
そのため、MBA卒業に必要な費用は、ケンブリッジ大学で約1,230万円、オックスフォード大学で約1,340万円となります。
なお、こちらも最小限に見積られた費用ですので、少しの贅沢をすれば更に費用は膨れ上がります。
アメリカ大学院へ留学する費用

次に、アメリカの建築・デザイン系大学院とMBAへ留学するのに必要となる費用を見てみましょう。
なお、費用の詳細は次の記事でも紹介していますので、宜しければご覧ください。
オススメ記事「米国大学院への留学費用と、費用を工面する方法を紹介します」
建築・デザイン系大学院(アメリカ)
こちらは、アメリカの建築・デザイン系大学院へ留学するのに必要な年間費用となります。
大学名 | 授業料(年間) | 住居・生活費(年間) | その他※2 |
---|---|---|---|
MIT | $57,590 | $40,860 | $6,554 |
Harvard University | $55,000 | $29,856※1 | $5,384 |
UC Berkeley | $35,350 | $27,000※3 | $3,044 |
※2 保険代
※3 International Office
イギリスの大学院と異なり、アメリカの大学院は卒業までに2年必要となります。そのため、実際に卒業するためにはこちらのテーブルの2倍が必要となります。
卒業に必要な費用を1ドル=130円として換算してみると、MITは約2,730万円(1,365万円/年)、ハーバードは約2,350万円(1,175万円/年)、UCバークレーは約1,700万円(850万円/年)という費用が必要となります。
MITとハーバードは私立である一方、UCバークレーは公立ですので、UCバークレーの方が学費が安いことが特徴です。
MBA(アメリカ)
次に、アメリカの代表的なMBAにおける年間費用がこちらです。
大学名 | 授業料(年間) | 住居・生活費(年間) | その他※ |
---|---|---|---|
MIT | $77,485 | $40,860 | $6,554 |
Harvard University | $73,440 | $29,856 | $5,384 |
UC Berkeley | $35,350 | $27,000 | $3,044 |
先ず、ハーバードとUCバークレーは2年プログラムである一方、MITは1年プログラムとなっていることに留意が必要です。
そのため、卒業までに要する費用は、MITは約1,625万円、ハーバードは約2,830万円(1,415万円/年)、UCバークレーは約1,700万円(850万円/年)となります。
アメリカにおいても、建築・デザイン大学院のような専門職系大学院に比べて、MBAの学費が高いことがわかります。
イギリス・アメリカの比較
では、紹介したイギリスとアメリカの各大学院の費用を一覧にしてみてみましょう。
大学 | 国 | 専攻 | 留学費用 |
---|---|---|---|
Cambridge | イギリス | 建築・デザイン (2年プログラム) | 約1,560万円 (780万円/年) |
Cambridge (Judge) | イギリス | MBA (1年プログラム) | 約1,230万円 |
UCL | イギリス | 建築・デザイン (2年プログラム) | 約1,400万円 (700万円/年) |
Oxford (Said) | イギリス | MBA (1年プログラム) | 約1,340万円 |
MIT | アメリカ | 建築・デザイン (2年プログラム) | 約2,730万円 (1,365万円/年) |
MIT (Sloan) | アメリカ | MBA (1年プログラム) | 約1,625万円 |
Harvard | アメリカ | 建築・デザイン (2年プログラム) | 約2,350万円 (1,175万円/年) |
Harvard (HBS) | アメリカ | MBA (2年プログラム) | 約2,830万円 (1,415万円/年) |
UC Berkeley | アメリカ | 建築・デザイン (2年プログラム) | 約1,700万円 (850万円/年) |
UC Berkeley (Haas) | アメリカ | MBA (2年プログラム) | 約1,700万円 (850万円/年) |
これを見ると、全般的にイギリスの大学院の方が、アメリカの大学院より安い費用で留学できることが見て取れます。これは、イギリスは1年のプログラムが多いことと、都市にもよりますが総じてイギリスの方がアメリカよりも生活費が安いことが理由として考えられます。
しかし、この中で最も安価な大学院を修了するとしても、最低でも1,000万円以上の費用がかかり、ハーバードのMBAを卒業しようとしたら約3,000万円という途方もない予算が必要となります。
また、こちらに記載したトップスクールは、大学から奨学金を得ることが難しいため、留学する際には外部の奨学金を得るなど何らかの予算計画が必要となるでしょう。
まとめ
こちらの記事で紹介したとおり、アメリカよりイギリスの大学院へ留学する方が安価となります。しかし、イギリスの大学院へ留学するとしても、1,000万円以上の留学費用を覚悟しておかなければいけません。
それだけの費用をかけることは、人生における大きな決断となります。特に社会人として留学を志している方は、キャリアを中断しなければならなかったりと、デメリットがあることも事実です。しかし、これだけの費用を投資することによって得られるメリットは大きいです。短期間で知識やスキル、英語力を身につけられ、国際感覚を養うことができ、世界で通用する人材になることができます。
最後に、大学院を選ぶ際は、費用だけではなく、プログラムの内容や、周辺環境など、様々な判断要素があることも事実です。そのため、関心のある大学院を多角的に分析して、ご自身に合った留学先を選ぶことが望ましいでしょう。