奨学金を勝ち取って留学しよう:奨学金の重要性と主な奨学金を解説します

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留学

こんにちは、独学家(セルフ・ラーナー)のKuroです。

このブログでは、独学での大学受験や一級建築士試験、海外留学についてのノウハウを発信しています。

こちらの記事では、外部の奨学金を得てアイビーリーグの一校へ留学したKuroが、海外留学における奨学金の重要性と主な奨学金、について紹介します。

はじめに

こちらの記事で紹介したとおり、海外留学は相応の費用がかかります。そのため、留学生は貯金を切り崩したり、所属している企業・公官庁からサポートしてもらったり、Research AssistantやTeaching Assistantとして働くことにより、授業料や生活費などを何とか工面しています。

その中で、今回の記事では奨学金、特に外部の奨学金(大学以外からもらう奨学金)の重要性とその種類について紹介いたします。奨学金を得ることは、留学費用を工面することに加えて、様々なメリットがあります。

外部の奨学金の種類

奨学金を得るメリットを紹介する前に、奨学金の種類を簡単に説明いたします。

外部の奨学金は大きく分けてこちらの2つがあります。

  • 貸与型奨学金
  • 給付型奨学金

貸与型奨学金とは、奨学金と同等額または利子付きの金額を将来的に返済しなければならないものです。貰って終わりではなく、将来的に返済しなければならないため、奨学金を受給すること自体に判断が必要となります。アメリカでは一般的に、こちらの奨学金を”Loan“と呼びます。

もう一つの給付型奨学金は、将来的に返済義務のない奨学金となります。返済義務のない奨学金であるため競争率が高い一方、受給できると様々なメリットがあります。また、アメリカではこちらの奨学金を一般的に”Scholarship“と呼びます。

奨学金のメリット

ここからは、私が考える奨学金を得るメリット、特に給付型奨学金を得るメリットについて紹介いたします。

奨学金のメリット1 – 留学費用を工面できる

外部の奨学金を得る第一のメリットは、やはり留学費用を工面できるということでしょう。

授業料と生活・住居費などを含めた全ての留学費用がカバーされる給付型奨学金は限られていますが、少しの奨学金でも貰えるに越したことはありません。特に企業や公官庁に所属していない人は、奨学金を得ないと自身の貯金を相応に切り崩さざるを得ないため、奨学金の有無が留学の可否に直結します。

私は所属していた企業を退職して留学しましたが、外部の奨学金を得られたことが留学を決める大きなきっかけとなりました。しかし、2年間で合計10万ドル以上もの給付型奨学金を得ることができたものの、それでも留学費用を全て賄うことはできず、最終的には貯蓄を切り崩して生活しました。

留学を志すにあたっては、留学費用を如何に工面するかが死活問題となるため、志望する大学と並行して奨学金についても調べておいた方がよいでしょう。

奨学金のメリット2 – 合格の可能性が高まる

次のメリットとしては、大学からAdmissionを貰える可能性が高まることが挙げられます。

大学側は、出願者の学部時代の成績、過去の経歴、推薦状の内容、TOEFLやGREの試験成績、各種資格など、書類の内容を総合的に勘案して入学可否を決めます。この際、留学生にとって重要なものの一つが財政能力です。米国大学院の場合、大学から留学生へ支給できる奨学金は限られているため、留学生が高い留学費用を工面できるかどうかが合否を判断する上での重要な要素となります。

そこで、出願にあたって外部の奨学金を得ているということをアピールできれば、大学側は財政能力を高く評価します。

また、外部の奨学金を得ているということは、第3者から評価されているとも見做されます。というのも、外部の奨学金を得るために選考プロセスを勝ち抜いてきているわけなので、奨学金母体から認められている存在と見做されるわけです。この観点から、外部の奨学金の中でも、フルブライト奨学金などの米国大学から認知されているものの方が、評価が高くなると考えられます。

奨学金のメリット3 – 人脈が広がる

三番目に、奨学金を得ることで人脈が広がることが挙げられます。

外部の奨学金を得た場合、同じ奨学金を得た留学仲間との横の繋がりを持つことができます。また、奨学金によっては奨学金母体が定期的にセミナーや年次集会を開いてくれるものもあり、そのような機会へ参加することで先輩・後輩との縦の繋がりも持つことができます。更には、奨学金によっては日本国内のみならず、世界各国の奨学金受給者と交流する機会も得られ、人的ネットワークを世界中に広げることができます。

海外留学すると、基本的には同じ大学に留学している人たちが近しい友達となります。しかし、奨学金を得ることで、様々な大学の人と繋がりになることができ、留学生活がよりいっそう豊かなものになるでしょう。

奨学金のメリット4 – 出願への準備となる

最後に、奨学金へ応募することが大学へ出願するための準備にもなるということが挙げられます。

給付型奨学金の多くは大学へ出願する前に募集を開始しているものが多く、一足早く準備を開始しなければなりません。

また、奨学金へ応募するためには、留学を志すに至ったきっかけや、留学中に研究・勉強したいこと、留学経験を将来的にどのように生かして社会貢献するのか、などを簡潔にまとめる必要があります。

お気付きのとおり、これらの情報は実際に大学へ出願する際にも必要なものとなります。そのため、奨学金へ応募する際にまとめた情報が大学へ出願する時のベースとなり、大学へ出願する際の書類準備がスムーズに進むと共に、更にブラッシュアップした内容とすることができるでしょう。

主な給付型奨学金

奨学金のイメージ

ここからは、主な給付型奨学金、特に専門職系大学院(Professional School)への留学でも受給可能な奨学金について紹介いたします。

なお、こちらの記事で紹介する奨学金に限らず、奨学金を探す際は、次のような項目に注意しながら情報収集するとよいでしょう。

応募時期奨学金によって応募時期が異なります。遅れてしまい応募できなくなってしまう事態は避けましょう。
奨学金額最も重要な情報です。
奨学金の受給期間・延長の可否支給期間や延長の可否も奨学金に応じて異なります。
受給資格奨学金によっては年齢や国籍などに制限があります。また、応募にあたってTOEFL iBTの下限が設けられている場合もあるためよくチェックしましょう。
対象となる専門分野奨学金によっては対象となる専門分野が決まっています。
受給者数受給者数を見ることにより、その奨学金を得ることで広がる人脈がわかります。

フルブライト奨学金

まず、最も有名な給付型奨学金の一つであるフルブライト奨学金です。

大学院留学へは毎年20名程度採用しており、初年度は授業料として40,000ドル+生活費、次年度は総額25,000ドルが支給されます。他にも、往復渡航旅費や、往復荷物手当、家族手当など、手厚い支援が受けられます。

対象となる分野は次の5項目であり、過去の奨学生リストを見ると人文・社会科学の研究をされている人が多い印象です。

  • 米国研究
  • インド太平洋地域における日米関係
  • 現代社会の諸問題
  • グローバル社会の課題
  • 教育

フルブライト奨学金は日本のみならず、世界各国にも存在するため、日本の留学生に加えて世界中のフルブライト奨学金受給者ともネットワークを広げられることもメリットの一つです。

また、アメリカ政府との交換留学という位置付けであり、留学生が通常使用する”Fビザ”ではなく”Jビザ”で渡航することも特徴の一つです。そのため、受給者には大学院修了後、2年間の自国滞在義務が生じます。

伊藤国際教育交流財団

次に紹介するのは伊藤国際教育交流財団の奨学金です。

こちらは最大2年間を上限として、授業料(年間300万円以内)と生活費(月額1,500~2,000USドル相当の円貨)、更には往復の旅費も支給されるという手厚い奨学金です。

専攻分野は不問となっている一方で、年齢の上限目安が29歳となっています(30歳以上は追加の書類を提出する必要あり)。また、応募に当たっては推薦書が必要であったり、多数の必要書類を手書きで用意しなければならないため、相応の準備期間を見込んでおく必要があるでしょう。

なお、最近は毎年200名程度が応募して、10名程度が採用されているようです。

世界銀行 共同大学院奨学金制度

次に紹介する奨学金は世界銀行の共同大学院奨学金制度です(英語サイトはこちらから)。

こちらは、最大2年間を上限として、授業料と保険料、生活費全般、更には渡航費も支給されるというかなり手厚い奨学金となります。

応募資格は最低3年以上の職務経験と、専攻が途上国の貧困削減と繁栄の共有促進に貢献されることが期待される分野であることです。

最も手厚い奨学金の一つであるため、開発分野への留学を検討されている方は、是非とも応募されることをおすすめします。

日本学生支援機構 海外留学支援制度(大学院学位取得型)

次に紹介するのは、日本学生支援機構の海外留学支援制度(大学院学位取得型)です。

こちらは最大2年間を上限として、授業料(年間最大250万円)と生活費(月額89,000円~148,000円、都市によって異なる)が支給されます。

専攻分野は不問(芸術の実技分野を除く)となっていますが、年齢の上限が35歳であることに加えて、応募条件にTOEFL iBT100点以上とあるため、英語の苦手な方は相応の準備期間が必要でしょう。

2021年度の選考結果を見てみると、修士課程は289人の応募者のうち、52人が合格となっているようです。

中島記念国際交流財団

次に紹介するのは中島記念国際交流財団奨学金です。

こちらは最大2年間を上限として、授業料(年間最大300万円)と、奨学金(月額20万円)、支度金、そして航空賃が支給されます。

手厚い奨学金内容ですが、専攻分野が情報科学、生命科学、経営科学の3分野に限られていることに留意が必要です。

採用予定人数は年間約10名となっており、過去の採用結果をみてみると、令和4年度は104名の応募者に対して7名が合格しています。

経団連国際教育交流財団

次に紹介するのは、経団連国際教育交流財団の日本人大学院生奨学金です。

こちらは2年間を上限として、年間350万円を一括支給してもらえるものです。

専攻分野は不問ですが、留学目的として”広く社会に貢献し、将来、アカデミアの世界で研
究者として活躍する意志を持つ者”が掲げられています。

対象者は年間2名(うち1名はイギリス)であるため、かなり狭き門と言えるでしょう。

米国伊藤財団-FUTI奨学金

最後に紹介するのは、米国伊藤財団-FUTI奨学金です。

こちらは2年間を上限として、年間最大50,000ドルを支援してもらえるものです。

手厚い支援内容ですが、受給資格者は東京大学の現役学生または東京大学の卒業生(学部か修士)であることに留意が必要です。

支給額がドル建で決まっているため、為替レートの変動に左右されないことが嬉しい特徴です。

受給資格者が限られる割には、支給対象者数は数名~十数名と多いことも特徴です。東大生か、東大の卒業生でしたら是非とも応募されることをおすすめします。

最後に

こちらの記事では、奨学金を得るメリットと、主な給付型奨学金について紹介しました。

給付型奨学金を得ることは一見ハードルが高いように見受けられますが、受かった時のメリットは大変大きく、準備した書類の多くは大学へ実際に出願する際に流用できるものです。そのため、初めから給付型奨学金への応募を諦めることはせず、是非とも応募されることをおすすめします

また、こちらの記事で紹介した給付型奨学金は、日本人留学生が利用できる奨学金の一部となります。例えば、Fulbright Japanのサイトなど、更に多くの給付型奨学金を紹介しているサイトもありますので、奨学金を探す際には是非とも参考にしてみてください。


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